経営企画部の白瀬台隼人氏(38)が逮捕された本件について、弁護を担当する弁護人は、本誌の取材に対しこう語った。
「依頼人の口座への入金は、すべて逮捕直前のごく短期間に集中しています。長期にわたる不正への関与を示すものは何一つない。むしろ、依頼人が社内の取引データを調べ始めた時期と、入金の時期が重なっていることこそが重要です。依頼人は不正を暴こうとした側であり、そのために陥れられたと私たちは考えています」
— 白瀬台氏の弁護人
「受注データを触れる人間は限られている」
本誌はミナクラ通商の受注業務に詳しい複数の関係者に取材した。ある関係者は、社内の業務フローについて次のように証言する。
「受注データの登録や修正ができるのは、経理部の限られた担当者だけです。そして一定金額を超える取引には、役職者による承認が必要になります。仮にデータが改竄されていたとすれば、担当者一人の判断でできることではありません」
— ミナクラ通商の業務に詳しい関係者
白瀬台氏の所属は経営企画部であり、受注データを直接操作できる立場にはなかったとされる。一方で経営企画部は全社の数字を横断的に確認できる部署でもある。「数字の異変に最初に気づけるのは、ああいう部署の人間だ」と前出の関係者は指摘する。
取引先への不透明な資金の流れ
さらに本誌の取材では、ミナクラ通商と一部取引先との間の資金の流れについて、「決済額の一部が、取引とは直接関係のない第三の企業に流れている形跡がある」とする証言も得られた。この点について同社広報は「個別の取引に関する回答は差し控える」としている。
捜査当局も資金の流れの解明を進めているとみられ、事件は白瀬台氏個人の問題から、会社ぐるみの構造的な問題へと広がりを見せつつある。
弁護側は新証拠の提出へ
弁護側は「無実を示す物的証拠を揃えつつある。真実は必ず明らかになる」と述べ、近く新たな証拠を提出する方針を明らかにした。本誌は引き続きこの事件を追う。